何これ震える!『悪童日記』三部作
読書の秋、続き〜
超・超・驚き・震える三部作と出会いました。
読み終えて、いまだにボウゼンとしています。
『悪童日記』
続篇『ふたりの証拠』
完結篇『第三の嘘』
ハンガリー🇭🇺出身の女性作家
アゴタ・クリストフの作品。1986年〜91年に書かれた。
世界20カ国語に翻訳されて大ベストセラーとなり、当時は日本でも話題騒然だったそうですが、、、恥ずかしながらわたくし、書名を聞いたことすらありませんでした。
アゴタさんの故国・ハンガリーは、第二次世界大戦中ドイツに占領され、そして戦後はソ連に支配された。
この三部作は、その悲惨な史実に基づいているようだけれど、国名地名はいっさい出てきません。
第一作『悪童日記』
この文体、私には「とても優しい」と感じられた。
美しく聡明な双子の少年たちの疎開生活を、さらさらと描いていくの。
主人公の「悪童たち」に、子どもっぽい感情はいっさいない。事実を淡々と連ねていく。
愛とか自我とか孤独とか絶望とか性とか戦争とか、ストレートに、列挙しながら「日記」は続く。
最初は読んでて若干気持ち悪くなりました。
ついで、そういう次元でしか捉えられない自分がバカみたいに思えてくる。
どうなっていくのか、無性に知りたくなる😳
そして結末は、、、
わたくしのような凡人には絶対に考えつかない。
強烈で衝撃的。
「続篇につづく」って感じでもないの。「ここで終わる」っていうなら、衝撃のまま終わってくれてもいいわ。
訳者さんの解説にも、アゴタ自身さいしょは続篇を書くつもりではなかったとある。でも「双子から脱出できずにいた」そうです。
そして、続篇『ふたりの証拠』へ。
『悪童日記』の乾いた鮮烈さから、うってかわって、なんかもう虚しい。悲しい、、、
第二作のエンディングは、これはもう「後生だから謎解き篇を読ませてくださいお願いします〜」って感じ。
そしていよいよ完結篇『第三の嘘』
作者アゴタの精巧なカラクリ細工にすっかり嵌って、一気に読み進める。
三部作の三作目が「第三の嘘」って、、、そういうことなの、、、
時間を忘れて、夢中で三冊いっきに。
こんな読書体験は、わたくし、初めてでした。
もんくなし、大傑作です‼️
2020読書の秋は、まだ始まったばかり〜😉