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『瞼がたるまない』ための生活習慣

年齢を重ねてくると、上瞼がたるんで、目に被ってきますよね。

特に外側が被りが強くなりますが、二重の線や目の上のラインに被って老けて見えるだけでなく、視界をさえぎって見えづらさを感じることもあります。

 

さて、たるみの原因は何だったでしょうか(復習です)

まずは顔の骨が小さくなること。

眼の周りで言うと、額やこめかみは特に小さくなりますし、眼球が入っている眼窩という部分は拡大する、ので、必然的に中身がスカスカになりますと、上に乗っていた皮膚は垂れてきますね。

 

さらに靭帯も伸ばされてたるんでしまいます。伸びてしまったゴムのような感じでしょうか。

特に眉毛のところには靭帯があって、瞼の皮膚を骨とつなぎとめているポイントがありますが、

この靭帯が緩みますと瞼はたるんでしまいます。

ですから、眉毛を上下させるようなマッサージは瞼のたるみの原因になってしまいます

『顔をこすったり、マッサージすることの恐ろしさ』、2018・11・8のブログも参照してください

 

さて、『眼瞼下垂』って聞いたことありますか?

瞼が開きづらくなることですが、実はかなりの方がこれに該当すると思います。

私は形成外科医ですので、昔は眼瞼下垂の手術もやっていましたので、原理を説明します。

 

 

こちらは瞼の断面図です。眼を閉じたところです。瞼の下端に瞼板(けんばん)という軟骨があり、その上端に瞼を開ける筋肉、眼瞼挙筋とミューラー筋が付いています。この筋肉が収縮することで瞼が開きます。

 

ところが、

加齢によって筋肉が薄く弱くなってしまって、軟骨とくっついていたところが外れてしまう

ことにより、筋肉が収縮しても力がうまく伝わらなくなり、瞼が開きづらくなります。

 

このように、眼瞼下垂の原因として、

筋肉がうまく作動しないことと、

皮膚がたるんで余ってきて、瞼に被り、視野がさえぎられること

の2つがあります。

たいてい両方の原因が程度の差はあれ、組み合わさっています。

 

 

加齢によるものはある程度仕方ないとして、

それ以外にも、生活習慣の積み重ねでこのようなことが起きやすくなります

 

まず、第一はコンタクトレンズを外すとき

特に、ハードレンズの場合ですが、外す際に瞼を押さえて、瞼板を反転させるようにして外しますよね。これをすると、瞼板と筋肉の付着部に負担がかかり、緩みやすくなってしまいます。

コンタクトレンズによる眼瞼下垂は非常に多いですので、今日から気を付けましょう

 

余談ですが、コンタクトを外す際に、乾いた状態で外すと、一緒に角膜の細胞がはがれてしまうそうですので、目薬で潤してから外しましょう

 

アイメイクの仕方も気を付けなければなりません

アイラインやマスカラの際に、薄目を開けて瞼の皮膚を伸ばすような表情をしますよね。目を閉じようとしながらも、反対に瞼を開ける筋肉は収縮させようとしていますので、筋肉と軟骨の付着部に非常に負担がかかり、緩みやすくなります

もしくは、瞼の皮膚を引っ張っりながらアイラインを引くと、単純に皮膚を引っ張ったり伸ばそうとすれば将来的に皮膚が伸びてしまってたるむのは想像しやすいと思います。

ビューラーの際にも、強く引っ張ったり、カールを付けるときに瞼を反転させるような動きが加わると、上記のようなことが想像できます。

アレルギーなどで目をこする癖のある方も、同様に付着部が緩みやすくなったり、こすることで色素沈着することもありますので、アイメイクを落とす時もこすらないように注意しましょう。

 

さらに、雑誌やネット記事で、瞼をパッチリさせる、などとして、目を閉じたまま開けようとする運動をしましょう、と推奨していたものを拝見したことがありますが、本末転倒であることは分かりますね。

効果がないばかりか、逆に眼瞼下垂や瞼のたるみを作り出していることになります。

『眼瞼挙筋やミューラー筋を鍛えることは不可能』です。

 

眼輪筋を鍛えよう、なんて言う記述も見たことがありますが、眼輪筋は瞼を閉じる筋肉ですよ百歩譲って、加齢により眼輪筋もハリがなくなって緩むので、鍛えると多少ハリが回復するとかそれ以上に、目をぎゅっとつぶると、目周りに表情しわが出来ますので、シワが増えるという弊害の方が大きいでしょう

全然わかってない人が書いていることもありますから、注意してください

 

(私は手術で実物をしょっちゅう見ているのでわかっていますが、

眼瞼挙筋やミューラー筋、眼輪筋は非常に薄い筋肉です。

皆さんが想像しているような筋肉とは違います。体の筋肉のように鍛えられて隆々と?なるようなものではないように思います。)

 

クリニックでできることは・・・

 

①筋肉が動かなければ、皮膚の安静が保たれて、しわはかなり出来にくくなります。

ボトックス注射は継続的に行うとしわ・たるみの予防になります。

 

②骨が小さくなることに対しては、ヒアルロン酸注入することでその分を補うことが有効です。

靭帯の部分にポイントで注入して緩んだ靭帯を少し補強することもあります。

 

伸びてしまった皮膚を縮めるには手術が一番です。が、たるみ治療器械でもある程度は引き締めることも可能かもしれませんが、限界があります

 

眼瞼下垂や皮膚の余りが多い場合は手術でなければ改善しません。

当院では行っておりませんが、ご興味がある方は矢沢にご相談ください