スレッドリフト(糸リフト)について、形成外科医として考えたホントのところ。
今日は、わかりやすい効果を出したい形成外科医の私が大好きな治療のひとつ、
『スレッドリフト』についてご紹介します。
何回も言いますが、
わかりやすい効果を出したい形成外科医の矢沢的たるみ治療のファーストチョイスはヒアルロン酸注入‼
即効確実、入れた分だけ効果が実感できます。
それと併用しておすすめしたいのが、今回ご紹介する『スレッドリフト』。
切らないフェイスリフト、なんて言って、人気の治療ですよね。
スレッドリフトとは、トゲの付いた糸を皮下に挿入し、リフトアップさせるもの。
ほうれい線や目の下のくま、マリオネットライン、フェイスラインのもたつきを改善します。
トゲの付いた糸、といっても、トゲの形や材質が様々な種類があり、どの糸を使うかによっても効果が異なります。
当院では溶ける糸を使用しておりますが、溶けるまでの期間も様々ありまして、当然溶けにくいほうが効果の持続は期待できますが、そのぶんダウンタイムが長くなる可能性があります。使用する糸はその方のたるみの程度や皮膚の厚み、ダウンタイムの許容、などによって決めていきます。複数の種類を使用することもできます。
当院で行った糸リフトの症例をお示しします🧐
モニターのご協力ありがとうございました。
フェイスラインがすっきり!!顎がシュッとしている!!
法令線がなくなって、頬の位置が上がっている!!
口元のたるみ、マリオネットがなくなった!!顎のラインがすっきり。
まず先に言っておきたいのが、インターネットで検索するとたくさん情報が出てきますが、
治療する側もされる側も、スレッドリフトに対する過剰な期待がないか。ということ🤔
満を持してスレッドリフトをやってはみたけれど、直後はよかったが、すぐ戻ってしまった・・・という話はよく聞きます。
トゲの付いた糸といってもそれほど太いわけではありませんので、骨の萎縮と重力によって下垂した皮膚や脂肪などのたるんだ組織をその糸だけで引っ張り上げておくことが可能か、というと、そういうわけではないのです。(これを説明すると皆驚かれます。)
また、マリオネットの部分は特に口を開けると皮膚が伸びてしまう箇所ですので、糸を入れた直後はもちろんばっちり脂肪に糸のトゲが引っかかって、ものすごく上がっているのですが、口を開けると引っかかりが取れて少し戻ってしまいます。それも考慮してデザインを考えますが、糸で吊り上げておくというイメージは持たないほうが良いと思います⚠
私のたるみ治療の戦略イメージは、たるんだ部分をどこへ移動させるか⁉
たいていは重力で下垂し、頬の下部いわゆるフェイスラインやマリオネット部分に貯まるわけですが、ちぎって捨てたようにどこかに消え去るわけではありません。上方向や後方向にうまいこと散らしていくイメージでヒアルロン注入をしています。加齢により骨が萎縮してもともとあった頬のボリュームがなくなり、下に下がっているわけですから、頬部のボリュームを回復させることは重要です。
スレッドリフトをするとほうれい線やマリオネットは当然浅くなりますが、さらに頬部のボリュームが回復することも特筆すべきことです。ただ糸で吊り上げてもボリュームはその時回復しますが、実際中身はスカスカですと、いずれ落ちてきてしまいます。ですからヒアルロン酸注入してあらかじめ頬の中身のボリュームを補っておきつつ、糸で補強するというような考えがよいのでは、と思っています。
そういう意味で、糸にかかる負担をなるべく軽減するために、ヒアルロン酸注入との併用をオススメしています。 ヒアルロン酸注入は同日でもよいですし、先にやってもOKです。スレッドリフトを予定していましたが、ヒアルロン酸注入で思いのほかよくなってしまい、スレッドリフトの必要がなくなることも時々あります(こちらとしては嬉しいような、悲しいような・・・)
もちろん、スレッドリフトだけで十分な方もいらっしゃるので、その方のたるみの具合によって決めていきます。
また、直接的なリフトアップ効果とは別に、糸が溶ける際に引き締まり効果やコラーゲンやエラスチンを生成して弾力アップ・・・という効果もあります。この補助的な効果もたるみ予防として継続する価値があると思っています。
いずれにしても、たるみの原因は一つではなく、同時多発的に起こっています。
⚠骨の萎縮に対してはヒアルロン酸注入で土台を作り直し、これだけで下垂した組織がリフトアップされることもあれば、さらにスレッドリフトをすることでさらなるリフトアップが望める⚠
という感じでしょうか。
さらに、皮膚の中の引き締めとして、たるみ治療器械を併用していただくとより効果的でしょう。
いずれも溶けるものですので効果は永続的ではありませんから、年に1回くらい続けていくというイメージで😘
たるみ治療に関しては特に、いろいろな治療を組み合わせて続けていくことがよりよい効果の実感と効果の持続に有効なのです😀
痛みや腫れ、内出血も(ほぼ)ない・・・と宣伝しているものも見かけます。
正直に申しますと、ゼロではないと言えます。
麻酔方法はブロック麻酔や局所麻酔を駆使しますが、針を使用しますので無痛とは言えません。(クリーム麻酔でやる、なんて書いてあるところもありますが、クリーム麻酔だけでは対処できません。)
腫れは少ないですが、麻酔を使用すればするほど腫れ(むくみ)ますし、手術操作でも多少腫れます。直後少し腫れているので、たるみが強い人はむしろたるみが改善したようになるくらいです。
内出血も頻度は低いですがゼロとは言えません。
。。。なんて聞くと、すすめたいのか、すすめなくないのか、という感じですが・・・
一回やってもらえばよい、いいことばかり言われて、やってみたら残念だった、というのは望ましくないので、治療の限界やリスクもしっかりお伝えしたうえで決めていただきます。
ぜひ、ご相談ください‼
治療についての留意点
お顔の施術の場合
1 施術時間
60分
2 回数の目安
1回〜数回
※半年〜1年効果が持続します。
3 ダウンタイム
♦注射の跡が残りますが自然に消えます。
♦3〜4日絆創膏を貼って頂きます。
♦絆創膏を貼っている注射部位はメイクできません。
♦施術後は痛み・むくみ・腫れ・内出血が出ることがあります。1~2週間続くこともありますが、徐々に落ち着いていきます。また、しばらくの間は、違和感、ツッパリ感、痛み、刺入部位(糸の入り口)のくぼみ、ひずみ、色素沈着等の症状が見られる場合がありますが、次第に改善されます。
4 治療に伴うリスク
※治療に伴うリスクとして以下の可能性があります。
痛み・熱感・発赤・腫脹・皮下出血・凹凸感・青みがかった皮膚色・左右差・アレルギー反応
♦施術箇所に局所麻酔の注射をします。まれに麻酔によるアレルギーや接触性皮膚炎が起こる事があります。
治療価格の目安
定価(税抜)
N-COG スパイラル
1本 30,000円
※治療の目安は標準10本です。