美容小説「Language of flowers」3
Language of flowers
『肌がきれいだったら、人生は変わっていただろうか?』
美容皮膚科に出会うことで、変わっていく紗菜の物語。
episode3.「リナの消したいものとは」
ー美意識の高い友達って、それだけで刺激になる。
「そっか。それで、なんて返事したの?」
「まだ何もしてないよ。急すぎたし・・・本当は会って話したいんだけど。」
「紗菜から言うの?話し合いたいって?やめよう、無視でいいよ。
っていうか本当むかつくね。どのくらい付き合ったんだっけ?」
「えっと、7ヶ月くらい、だったかな。」
「そっかー。情が出る前でよかったね。紗菜はちょうどいい背の高さだし、
童顔で、なんとか坂のアイドルぽいし、すぐ新しい彼氏できるよ。」
「もう30なのにアイドルはいいすぎ~。うれしいけどさ。」
「たしかに褒めすぎちゃったね。笑」
こうやって笑い合っていると、学生時代に戻ったみたいで懐かしい気持ちになる。
涙も自然と止まっていた。
笑ったあとに、まじまじと見つめたリナの肌がいつも以上にきれいなことに気づく。
「ねぇリナ、ハワイに行ってたんだよね?全然焼けてなくない?」
南国にいたとは思えないほど肌はみずみずしく、
いつもよりほんのり肌色が濃くなっているくらいだった。
「ほんと?やった!今年は徹底的に美白しようと思っててさ。」
飲む日焼け止めを飲んでること、SPF50の日焼け止めを何度も塗り直して、
外出時にはサングラスも必ずつけることを教えてくれた。
「でも、シミはあるよ。ほらここ。消したいんだよね?」
「消すって?コンシーラーとか?」
「ちがうちがう!レーザーで。ちょっと痛いけどね。」
聞けば、行きつけの美容皮膚科があるらしい
リナの美意識の高さに感心してしまう。というか自分が疎いだけなのかもしれない。
「そろそろ行くけど、大丈夫?今日は思いっきり泣いてたくさん寝なね。また連絡する!」
そういうと、南国の香りをふわりと残して行ってしまった。
もっと落ち込むかと思ったのに、意外と平気な自分に驚く。
リナのおかげもあるかもしれないが、結婚に焦っていただけで
心から好きだったかと問われたら、
たぶん・・・ちがう。
to be continued…