美容小説「Language of flowers」2
Language of flowers
『肌がきれいだったら、人生は変わっていただろうか?』
美容皮膚科に出会うことで、変わっていく紗菜の物語。
episode2.「ラ行の女友達」
ーこういう時に、かけつけてくれる友達がいるってことが救い。
「紗菜、お待たせ♡」
タクシーから降りたリナがクラッチバッグを振りながら
ピンヒールなのに小走りで近づいてくる。
「ごめんね、急に。日本にいてくれてよかった。笑」
「全然いいよ!っていうか、めったに電話なんてかけてこないから心配でさ。
なんかあったんでしょ?とりあえず、喉カラカラ。」
目の前でなびいたリナの長い髪からココナッツの香りがした。
先月はL.A.で、そういえばハワイに行くって言っていた気がした。
「急に来てもらったし、おごらせて。飲むでしょ?コロナでいい?」
「ほんと?紗菜ちゃんやっさしー!ハイネケンあったらそっちがいいな♪」
「OK!ちょっと待ってて。」
渋谷と表参道のちょうど間にある、去年できたホテルのロビーカフェ。
来てもらったのはいいけれど、ハワイ帰りの彼女は、
普段よりさらにテンション高く、話すべきかどうか迷ってしまう。
「それで?友達の結婚式に着るドレスを真剣に選ぶことより一大事って何よ?」
そう言って、リナはヴィ○シーのボディローションとクッキーを、あげる。
と言ってテーブルに置いた。
最初はぐいぐい来ていたのは、男の方なのに、その熱は徐々に冷めていき、
反対に女はどんどん好きになっていく。
その温度差に耐えられなくなった女が問い詰め、状況が悪化する。
きっとこれは、すごくよくある話。
なのに、自分のこととなるとどうして不器用にしかできないんだろうか。
あと何回同じ間違いを繰り返すのだろう。そう思ったら涙が出てきた。
「ちょっと、どうしたの?大丈夫?」
人形のような大きくクリっとした目で見つめられると、
その美しさに何もかも話してしまいたい気持ちになる。
to be continued…