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ジョルジュ・シムノン わたくしの読者日記

わたくし、こう見えて、とても繊細な性質です。睡眠がうまくとれない日が時々あります。
先日も4時ころから眠れず、WOWOW シネマ映画チャンネルをつけました。
やってたのは、
「青の寝室」
フランス映画です。
結構フランス映画好きです。エロティックで、アンニュイで、結末は自分で考えなさいってなところとか。
これは1時間ちょっとの短い映画でしたが、案の定フランス映画らしく、「あれあれ?」ってな感じで  Fin .
気になって、原作本本をポチって購入。
ジョルジュ・シムノン原作でした。代表作のメグレ警視シリーズを含め、なんと作品は400冊以上で、世界で5億冊以上読まれている文豪。
わたくしお恥ずかしながら、初ジョルジュ・シムノンです。
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内容は、
W不倫から事件に発展。女によって男の主人公が転落するお話。
男の主人公が予審判事に尋問を受けたり、精神科医とのやり取りで過去を回想するという構成。
私はそこで、“夫婦の愛こそ本物だ”とか、“事件の核心はこれこれで、犯人はお前だ”とかって言ってほしくて、ぐんぐん引き込まれ、読み進めますが、結局愛の局在も事件の核心も曖昧に描かれていて、「えっ!これがラストなの!?」っていう結末。
“ 芸術 ”です。
すごくジョルジュ・シムノンが面白くなっちゃって、すぐに2冊目もポチりました。
「小犬を連れた男」

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わたくし、こっちの方がより好きです。

読み終わった後の余韻がいい。
これは、妻に不倫された男の最期までを描いてる孤独感溢れる純文学。
ジョルジュ・シムノンをググったら、Wikipediaには、文豪人生が書かれてるんですが、なんと性豪とも、、、えっ
そんな作家なのに、彼の作品では、“男が女を泣かす” よくある話ではなく、女が男を落とし入れるパターンの話が多いみたいです。
そういう作風が、作家自身の人物像に反しているところにも興味を引かれます。
ジョルジュ・シムノンの小説もっと読みたいけど、没後26年も経ってて、新品が少ないです。
私が買ったのは最近日本語訳された新刊。 長島良三訳がまたいいグッド!
潔癖性なので、中古の本ってベッドで読みずらいし。。「仕立屋の恋」に至っては、中古すら売ってな~い汗