小柳院長ブログ トップ > 私の好きな本 > 高慢と偏見 正月休み

高慢と偏見 正月休み

お正月休みはステイ自宅で、読書

至福〜〜

『高慢と偏見』上・下

ジェイン・オースティン著、中野康司

 

むちゃくちゃ面白い‼️

よく雑誌などで《ぜったい読んでおくべき一冊》と推薦されていますね。

今回読んでみて、そのわけがよく分かりました。

タイトル的に「イギリス🇬🇧の哲学じみたお堅い本?」だと思って気合いを入れて挑んだら、その真反対。

 

あのね、言っていい?漫画っぽいのです😆

 

初版は1813年。おもに1790年代に書かれたらしい。

200年以上も前のお話。なのに、まったく古さを感じさせないの。

一点、明確に現代と異なるのは、人間の「階級(身分)」がオフィシャルにはっきり定められていること。で本作は、身分が違う男女の恋愛ストーリーです。

身分が違うと言っても、「上流の上」の紳士と「並みの上流」のお嬢さんのお付き合いなんだけどね。これがかなり激しい格差だったらしく、「上流の上」の男が恋に落ちて「この身分の低い女性をこれ以上好きになってしまったら、えらく困ったことになる」と悩むなど、、

果たしてこれは純愛なのか、、、😆

 

ネタバレしちゃうからあまり書けないけど、主人公の2人はもちろん、それ以外の登場人物一人一人の個性が、じつに綿密に描かれてるの。

「こういう人いるよねーーー」と、あるある感に思わず苦笑い(ときに爆笑)しながら読んじゃうよ。

ジェイン・オースティンが描き出しているのは「人間の本質的な業(ごう)」。えぐり出してる、と言った方がいいくらい鋭い。

人の本質をしっかりとらえているから、200年くらいではまったく古びないわけですね。

「人間の業を描き出す」と言っても、筆致はあくまで軽妙で、洒脱。ドストエフスキー的な「文豪らしい重み」はまったくない。

でも〜

わたくしは、オースティンのほうが「技あり」だと思うな〜

 

タイトルの「高慢」は、主人公の男性のほうの、愛に目覚める前のプライド高すぎで嫌な感じを指します。なお「偏見」は女性のほうの「こいつ超いやな奴!」っていう思い込みのこと。

で「高慢」といえば

フランス🇫🇷のモラリスト・ヴォーヴナルグさんの箴言にいわく

高慢は弱者が自らを慰める手段である

ふむふむ🤔

医療者としては、高慢も偏見も「ダメ絶対」です。

 

ヴォーヴナルグの名言をググっていただくと、超興味深いのばっかりです〜いつかヴォーヴナルグの本が欲しいな

その前に、オースティンもう一冊いきます