えりこの量子力学ことはじめ さいごに美ST
いきなりですが、
わたくしたち美容皮膚科にとって強力な武器のひとつ、それは「レーザー」です。
レーザー光は、ものすごく強力な電磁波。ごくごく限られた一点に集中して、 超・短時間で作用します。これにより「患部だけを破壊して(焼いて)しかも周辺部を損なわない」という治療ができるわけです。
実用化されたのは、1980年代のこと。いまや、レーザーなしの美容皮膚科治療は考えられません。シミを除去する、たるみを改善する、そしてムダ毛を毛根からとりのぞく、などの施術に、毎日まいにち活用しています。
これが内科や外科の先生になりますと、ガンやヘルニアなどを「レーザーで焼く」という治療をなさるわけですね。
「レーザー機器ならエステサロンさんにもあるんじゃない」とおっしゃるみなさま。われわれ医師が使うレーザーは、サロンさんの光脱毛マシンとは全然違います。
なんと言ってもパワーが段違いなので、とうぜんリスクも高い。医師免許がないと使えませんし、医療機関でなければ購入も設置もできません。
そのかわり、やはり効果の差は明らかです。たとえば「脱毛」ひとつとっても、医療機関でレーザーを用いて行うほうが、施術回数が少なくてすむのです。
わたくしたち美容皮膚科医の相棒であるレーザー。長年にわたって何台も何台も使ってきており、わたくしは美容皮膚科用のレーザーであれば、その強みも弱みも、そして仕組みも、すべてを知り尽くしています、
と、思い込んでいました。
ある先生がお酒の席で何気なくおっしゃった言葉をうかがうまでは。
「こうしてレーザーがあるのも、量子力学のたまものなんだよねえ」
・・・りょうし・・・りきがく・・・。
わたくし、物理は高校1年で止まっております。医学部に入った以上、たしかに「理系」でしたが、選択したのは「生物」と「化学」。物理は嫌いじゃなかったけど、つっこんで勉強したことは、一度もありません。
しかし、大好きなレーザーが「りょうしりきがく」のおかげで開発されたのだとうかがえば、とても知りたくなります。
こんなわたくしでも読める「りょうしりきがく」の入門書、ないかしら?
・・・
あった。
「For babies」よ。
表紙入れて26ページしかない、絵本よ。
「For Dummies Series(聞くに聞けないシリーズ)」というのは、アメリカの空港の本屋さんなどで見たことがありますが、それよりぜんぜん易しくて優しいはず。
期待できる!
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え?
え??
そ、そ、そうなの!?
これは、禅の世界ですか。
それとも、俳句?「咳をしても一人」?
ちょっと、シンプルすぎませんか~。
けっきょく~
この絵本を「解読」したいがために、
いろんなサイトや動画を調べまわるハメになりました。
【えりこの、量子力学ことはじめ】
・20世紀になって量子力学が発達したことで、原子や電子という超・小さいレベルでの「もの」の「ふるまい方」が分かった
・おかげで人類は、あらたな「もの」を作り出すことができるようになった。たとえば「電気を通したり通さなかったりするもの」=半導体など
・そしてヒトはあらたな「電磁波」までも作り出した。それが、レーザー光などである
うーむ、じつは「電磁波」は、美容皮膚科医にとって最大テーマのひとつです。電磁波と言っても、その中のとくに「光」ですね。
というのも、お肌の老化要因のうち最凶なのは、「太陽光」なんです!
「紫外線(Ultraviolet)」は、一般の方にも悪名高いですね。最近わかってきたのは、UVだけでなく、それより波長が長い「可視光線(つまり紫から赤の間)」や、さらに波長が長い「赤外線」も、お肌のたるみの原因となっていたのです。
「太陽光」、まじやばい〜
ですので最近の「サンスクリーン」製品には、UVによる日焼けを防ぐだけでなく、可視光線や赤外線の悪影響までもカットするものが出回ってきています。UV対策だけの従来製品より、すこし高いですけどね。
ヒトは生きるために「光」を必要としますが、同時に「光」によって老いるのです。
そしてヒトは、ついに「人工の光」レーザー光で、老化を治療するようになった・・・。
うーん、ヒトの営みって、すごく偉大で、でも自然からみたらすごく小さくて。進化しているのか、矛盾を大きくしているだけなのか。
とっても考えさせられます。
そういえばさきほどの先生、こうもおっしゃっていました。
「現代物理学の二本柱は、量子論と相対性理論なんだよね・・・」
・・・そうたいせいりろん・・・
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まさか
わっ
(もしかしたら続く)
【お知らせ】
今発売中の美STにわたくし載ってます!
69ページ
「いいシワいい顔美女医と姉美ST世代」
レーザーが好きすぎて、やっぱり紙面でもレーザーをご紹介しております😄